【復旧】シンセシス創立者のアリ・ウォラック氏 講演会メモ – “e-Politics ニューメディアがつなぐ政治と有権者”

2010年に名古屋市にて開催されこのウェブサイトに投稿した記事ですが、トラブル時に失われていました。
閲覧数がそれなりにあった記事だったので、ハードディスクの中を探してみたところメモが残っていましたので、記録としてそのまま記載します。

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e-Politics ニューメディアがつなぐ政治と有権者
eGovernment, politics and you

Mr. Ari Wallach
synthesis corp.
twitter : @ariw #ariwJPN

名古屋アメリカンセンターのスティーブンが開催の挨拶。
ソーシャルメディアが政治に与える影響について。

共催;愛知県国際交流協会

司会:名古屋大学大学院国際言語研究科 金 相美(キム・サンミ)准教授

Diplomasy 2.0(前回)
Democracy 2.0(今回)

ARPA-NETから始まるInternet、今の形になったのは1990年ごろから。ネットはまだ20年の若いメディア。
これがわれわれの社会におよぼす影響は大きいと感じる。
1953年にNHK放送が始まり、60年間はTVの力が大きかった。1/3しか歴史のないInternetは40年後の影響力はどうだろう?

Internetが政治におよぼす影響を話してもらう
韓国;落選運動の結果、落選。ネットニュースが力を持ってきている。

2008年度の大統領選挙キャンペーンにおいての実例を取り上げながら話を進める。

日本におけるネット利用と公職選挙法の改正が参院選挙まえに議論されたができなかった。

2008年オバマ大統領選挙戦に対してweb技術がどのように影響されたのか説明します。
アメリカの選挙制度について、選挙人制度があり彼らの票が州全体の影響になる。古い制度だ。
カリフォルニア、テキサス、フロリダ、ニューヨーク、オハイオなど7つ。
浮動票が大きいスイング・ステートにかかっている。

フロリダにたくさんのリソースを割いた。そのぐらい象徴的なエリアだった。

フロリダは温かいエリア、老人が定年後に友人とゆったり過ごす。

投票率は50%くらい。そのなかでも99%投票するのは、高齢者のユダヤ人だ。
伝統的には保守党に投票してきた。

選挙に関してはオバマ氏がイスラム教徒だというデマが流れていた。
E-mailで黒人のイスラム教徒でケニア出身で母親は無神論者である、と。

2008年の高齢のユダヤ人の80%がこれを読んで信じてしまった。
Ari氏もユダヤ人であり、われわれも問題になった。

政治については「よくしっている」人間が説得するのがイチバン有効だ、ということが解っている。
だから孫が説得するのがイチバンだ、ということだ。
そのためにシンセシスはWebサイトをつくった。
Great Schlep だ。イディッシュ語で「足をひきずるように歩くこと」
どうしてオバマ氏がいいのか、説得するためのビデオなどを作った。
その結果、数千のひとがフロリダへ足をはこんだ。

マケイン候補とオバマ候補、フロリダでの高齢者ユダヤ人がキーになった選挙運動。
多くのTV、ウェブサイト、新聞に取り上げられた。

サラ・スルバーマン(コメディアン)
ビデオ制作費5000万ドル。2500万回の動画ダウンロードがあった。

それをうまく使うために、上手にアクションしなければならない。
アドレス登録すると何千ものe-mailを一斉送信できるサイト。
電話をかけよう、、という呼びかけと、政策についての質問が来たときに応えるFAQのサイト。
フロリダへ行きたい、というひとのためにobamatravel.orgというNPOを立ち上げ、飛行機のマイレージを寄付できるNPO団体。
実際にお孫さんたちがフロリダへ行くことができる。実際には祖父母が孫を呼び寄せるためにも。

Facebookを立ち上げて情報提供をした。

こうした活動は党本部の許可をとらなくて良いのが便利だった。
Tシャツの販売、ソーシャルメディアの活用。
大学のキャンパスで流行のTシャツを着ること。。。。

これがプログラムだ。

もちろんオバマ氏のWebサイトも作った。
寄付金をWebサイトを通じて集めることもした。日本では禁止されているが。

www.my.barakobama.com “私の”を入れた。
訪問、登録、電話、blogなど選挙活動ができるようにした。
iphoneでも作った。友人に電話する、とか機能を実装した。
2008年のNYのバスのなかで、サラリーマンはこうしたツールを使って電話をかけていた。

change.govのサイトを就任後すぐにつくった。
市民の活動が集められる、市民のbriefing bookで透明性の高い政府を作ろうとした。
国民がまずこのサイトを通じてまず取り組み始めたのは、マリファナの合法化だった。
なぜか?彼らがInternetを利用してネットワークを作っているからだ。

ブロードバンド構想を始めた。broadband.comができた。

国務省のプロジェクト(外交)にも取り組んだ。
政府対政府の問題で国民が直接入れるものではない。これに対して、state.govを立ち上げた。
ソーシャルメディアの技術を使って、全世界の意見を集めたものだ。
いろんな質問が問われる
たとえば、気候問題は世界の政治に影響を与える大きな問題だ:賛成・反対とその度合いを表明できる。

それを地域と意見の大きさで国にプロットされ視覚的に国民の意見の近い・遠いが見えるものだ。

usa.gov
政府の経費削減に対してのアイディアを募り投票できるものだった。
たとえば、上級官吏がファーストクラスで移動するべきではない、という意見が2番目になった。
政府で働いているすべての人に意見を募ったらこういう結果になったのである。
政府内の職員における民主主義、だ。

data.gov
透明性が重要である。
公開できるデータについてはこちらのサイトですべて公開している。
個人情報でないものはすべて公開している。
すべてインターネットでダウンロードできる。
最初は47のデータ。1年後には27万のデータがダウンロードできるようになった。

Internetやソーシャルメディアをつかって政府の意見を変えようとしている活動をしているひとがいる。
WhitehouseのWebサイトが100%オープンになったらどうなるんだ?と想定してつくっている。
もうひとつが10questionだ。市議会、市長、上院議員の選挙にでる人が利用でき、人々は彼らに質問ができるものだ。

sunlight財団がやっていることもホワイトハウスを訪問するすべての人を見ることができるものだ。
影響力を与えようとしているひとが誰か、わかるようにするものだ。

metavidはすべての発言をサーチできるようにしたサイトがある。
政治家の発言と行動が違う、というものを発見できる。

Bill, Baby, Bill は気候変動への対応をスピードアップさせようというものだ。
Twitterを使ってつぶやけるものだ。エネルギー包括案に対して承認を迫るメッセージを投げられる。
10日後には議員へのメッセージの60%がこのサイト経由になった。

iphoneアプリもそういうものを作ってきた。

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Kim准教授
選挙キャンペーンではオンライン・オフラインの連携が重要だと感じた。
実際には日本でおじいちゃんとおばあちゃんが政治について語る機会が無いように思う。
会場のかたはどうだろうか?

Great Schlepでは孫が説得にくるのはどういうことだろうか。
韓国のメッセンジャーでは説得する人のリストがあって、それをひとつずつクリアしてきた。

インターネットはヒエラルキーのないメディアだ。
市民とInternetと草の根活動、というものがうまく結び付けられている。
透明性、たくさんの情報(材料)があって、双方向コミュニケーションがされている。

選挙は家族、日本では特に父が中心となっているという傾向が非常に強い。
日本でも政権交代が行われたが、社会的背景が家族の中にあるのだろうか?

ネットメディアに対する信頼・親和性は日米でギャップがある。アクセス数がまったく違う。
iphone/ipadを持っている人が日本ではまだ少ない。市民とメディアとの親和性が日米で違う。

参議の愛知県候補で調べてみたが、藤川、安井、斎藤、3者ともにTwitterを利用していない。
なぜだろうか?

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会場からの質問

公職選挙法の制限の日米韓の違いがあるはず。ニューメディアはどんどんやるべきだと考えている。
ans. ネット利用は何でもありだ。
上院議員の全員がTwitterをやっているし、Facebookを持っている。ライブで会話もしている。
大手のWebの47%のトラフィックにはTwitterにリンクが張られている。
ニュースのウェブサイトにアクセスする人たちはTwitterのリンクをたどって見に来る視聴者だ。
メディアの会社はビジネスが難しくなる。
コンテンツが重要になる。(広告力のような資本力での勝負ではなくなる)
透明性が重要だ。
韓国では日本と同じように制限が課せられている。

社会のコメンテーターがコメントするようになってきている。
大衆のコメントはばかげたものであることもある。それはどうだ?
ans.すべての政府の活動を大衆の手にゆだねるべきでない。
セーフティプロトコルをどうするべきか決めるべきだが一般人が決めるべきではない。
たとえば戦争に行くことを大衆にゆだねるべきではないが、ロビイスト以外の意見を聞く場にすることは大事だ。
地方のレベルでは自治体がブロードバンドをどうするか、図書館の本をどうするか、地方の草の根のレベルではSNSはポイントになる

Web Communityを選考している社会人院生
recommend機能がついているのはすごいとおもった。
①人を動かすインターフェースを作るときに、これだけは気をつけようとしているポイントは?
②政府という巨大なパワーを動かしている団体にITリテラシーがまだ理解されていない(日本)で、果たして。米国はどうやってリテラシーの向上をしてきたのか?>>
ans.①Kim日本では選挙に関心があるひとはネットに関心がない。ネットに関心があるひとは政治に関心がない。Twitterで人の名前を探すのが難しいがBill,Baby,Billであれば議員の名前だけでなく秘書の名前まですぐにでてくる。これはすごく便利だ。本人はそこまで読む時間があるのか。それを書き込んでいる政治家のメッセージを見ていても何をしているのか!?と思うこともある。こういう状況でe-Governmentを実現していくことは時間の問題なのか?
①Ariマケインが勝っていたらeGovernmentを議論することすらされなかっただろう。日本ではそれをやろう、という力が必要だ。皆さんのそういったものを立ち上げたい、というパワーだ。上院議員が読んでいるわけでなくスタッフがやっている。スタッフに対して訴えかけることになる。質問について、全員がInternetしているわけでない。3G,4Gのネットワークになってきてアメリカの国民もたくさん利用者が普及する。インドでは2日前にタブレットPCを$35で発売された。手段はどんどん身近になる。
アクセスのためのインターフェースデザインはどうか。私は日本の庭園の設計デザインコースに在籍したことがあった。侘びさびを学びましたが、コミュニティーを作り出す会社をやっているが、移り変わりはクリーンで洗練されたものではない。中身を作ることに非常に注力している。

インターネットへの書き込みがどれだけ政策に反映されるか?形成過程の関わり方はどうだ?日本は情報公開必要ないのではないか?双方向の関係を構築できていなかった日本の文化は、アカウンタビリティーやトランスペアレンシーは現状にそぐわない。その能力は政府にはなく、まだ早いのではないか。

名古屋市議会議員(現職)
正しい情報公開が必要である。その精査ができないネットの意見をどうやって扱うかという問題。
議会の中での常識、一般での非常識がたくさんある。知ることは大切だ。
本会議もマスコミの編集がかかって公開されているし、

10年くらい前にはデトロイドの自動車会社は最初みんな大型車を求めていた。
ハイブリッドなんて買う準備はされていなかったところにプリウスが入ってきた。いまではたくさん走っている。
政府はこうしたい、ということと国民がやりたいことについては相違がある。誰かがリスクをしょってジャンプする必要がある。
そいうことだと思う。21世紀の政府というものは崩壊はしないだろうが、市民と協力しながら進める形に変わる。移行期にある。
情報に関して信頼できるソースはなんだ、ということがある。

後戻りはできない。前に進むしかない。信頼と説明責任で前に進むしかない。

政治に若者の参加をどう求めるか?
Ans.政治は退屈だ。このTopicをどうするか。世界中での問題だ。2008年の選挙ではいままで投票に行ったことがないひとが大量に選挙に参加した。希望、change、better worldが届けることができるようになればと活動している。
人気のあるミュージシャンを使って若い人に興味を持ってもらおうとしたプロジェクトもある。

ペプシは賢いことをやった。2000万ドルを使って、地域の組織に広告キャンペーンを張れるようにした。SNSを使って毎月200万ドル使って、各地域のNPOがアメリカにとって何が良い政策なのか、という運営をした。
経費をどこにかけるべきか、ということも意見を集めた。これは政府でもNPOでもなく、ひとつの会社が若い人たちの中にやったことがすごい。

マスコミ関係者
政府や行政がコンサバであるというだけではない、という。国民意識がネットによるキャンペーンが普及すると人気投票になってしまうのではないか、という危惧があることにもある。公職選挙法による公平性がそこなわれるのではないか。という点もある。巨大な媒体を握っているひとたちが優位になるという社会ではないか。メディアが主導すると危険であることはみんな承知している。ネットを握ってしまったら怖い、ということがあるのではないだろうか。

ans.アメリカはネットに翻弄されたと思っているのか?
>>いいえ。土壌が違うのではないかと思う。

ans.ヒラリークリントンの予備選挙では圧倒的だった。選挙の6ヶ月前から各地域にスタッフがいて寄付金をあつめていた。オバマ氏はそれを飛び越えなきゃならなかった。怖いかもしれないが日本も法律が変わることを乗り越えなきゃならない。いつか真実が嘘を乗り越える。政治的なプロセスが進むにつれて文句を言う人たちが減っていく。もちろん投票する人たちは合理的な行動をするひとだけではないが、最終的には、食べられるか、ローンが払えるか、家族を養えるか、、、最終的にはその懸念に応えられるか、ということである。

ポピュリズム、という懸念はもちろんあるが、マスメディアによるポピュリズムは無いのか。新聞やTVメディアは選挙期間にちゃんとやってきたか、ということはインターネットを考える上で一緒に考えなければならない。朝鮮ではすでに朝鮮日報が50%の部数になってしまった。中日新聞もゆっくり落ちてきている。こんな強い記者ネットワークをもっている新聞社も、だ。日本におけるジャーナリズムの課題を語る場所が増えてきたのではないか。

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アメリカでは実際に、孫が足を運んで、おじいちゃんおばあちゃんに会いに行った。
これが選挙だ。

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