北名古屋市の都市計画と宅地利用:1970年代~2000年代への変化をビジュアルで

わたしの子供時代には、まだまだ住宅の周りにも田畑が多くあり、人の手が入っているとはいえ昆虫や小動物が暮らす環境は確かに身近にありました。

しかし近年、あっという間に住宅街へと変化しました。

地理院地図 GSI Mapsより – 北名古屋市近辺の宅地利用の状況について、地理院地図のデータから比較してみると、この30年余でかなりの田畑が失われ宅地化が急速に進んできたようすがわかります。

2003年の宅地利用状況

宅地利用動向調査2003年

1977年の宅地利用状況

宅地利用動向調査1977年

この急速な変化を起こした時代には何があったかというと、団塊の世代が家庭を持った時代です。

直近ではさらに北名古屋市への合併と市政施行に伴う都市計画と固定資産税の関係から、市街化区域内の農地がさらに急速に失われ、ものすごい勢いでの都市化が進んでいるのです。

直近の空撮地図

宅地利用動向調査航空写真地図

この変化の主な要因は、北名古屋市のウェブサイト「市街化区域農地と生産緑地の課税について」でも説明されているとおり、都市計画法に基づいて「市街化を図るべき地域に指定された『市街化区域』内の農地」に対する固定資産税の取り扱いによるものです。

保全のために生産緑地指定を受ければ税負担の軽減が図れる、という方法もありますが、しかしながらこれはかなり限定的な効果でしかなく、宅地化は避けられないものとなっています。

急速な都市化は、わたしたちの生活に「やすらぎ」や「ゆとり」を与えてくれているのでしょうか?

わたしの平成25年6月定例議会における一般質問のテーマは、「北名古屋市の将来像、まちづくりのハード面」でした。

便利で質が高い、住み続けたい北名古屋市の都市づくり、とは何か。

快適な住空間と開発の抑制、居住環境として良好な環境に緑地は必要か。

生産緑地法の目的は何か。

そして市街化区域内の宅地並み課税の実施は、北名古屋市にとってよかったのか。

長瀬市長が旧師勝町長の時代にまとめられた師勝町第4次総合計画の中に、しっかりと書かれていた事柄が、今まさに失われつつあると感じています。

師勝町の発展課題として、自然との共生を基調としたより質の高い快適さが実感できる環境づくりの必要性、これを筆頭に据え、基本計画である「快適住空間都市」として位置づけられてきた将来像にも「計画的な水田の保全」といったような内容で、市街化区域内にある農地を緑地として活用すること、計画的に良好な環境の居住系市街地の形成を図るとしっかりと書かれておりました。計画には「たんぼ公園プロジェクト」というものがありました。

北名古屋市で今まさに失われつつあるのは、田んぼだけではなく快適な住空間です。

首都圏近郊のベッドタウンでは、四角四面に整備された住宅がぎっしりと建っています。

わたしは快適な空間とは、適度にゆったりとした空間、つまり緑地が住宅にまざっている空間だと考えております。

今後の北名古屋市の将来像に都市開発があっても、快適な住空間が崩れてしまえば、このまちとしての魅力は失われてしまいます。

北名古屋市の発展とは何か。

都市計画の大事なことは何か。

ここで今一度、過去を振り返り、快適な住空間を目指したのはなぜだったのか。

快適な住空間とは、具体的にどんなものなのか。

行政は計画作りのマクロの視点だけでなく、生活者としてのミクロの視点もあわせて、再度、まちづくりを見定める必要があろうと考えます。

皆様のご意見などお寄せいただけましたら幸いです。

参考情報

市街化区域農地への課税について

元・福島大学の阿部成治先生が「市街化区域農地への課税問題」として北名古屋市の事例も引き合いにしながら、問題をまとめられています。

比較用白地図

宅地利用動向調査白地図

平成25年6月定例議会 一般質問

議事録全文:平成25年第2回 6月定例会-06月11日-02号