北名古屋市議会では、2018年6月よりペーパーレス化のためタブレットを導入しました。紙資料の配布をなくし、検索可能なPDF形式のデータで配布する形にしました。
2011年にタブレット導入を目指し、実際に議員に操作してもらう体験を軸にした研修を行いました。そのころはまだ世間的にもガラケーが主流で時期尚早と判断されましたが、当時の議会事務局課長は前向きでした。
議会というのは上からの命令でヤレと言われて動く企業型の組織ではありません。議員の合意があって動く個々人の集まりです。それから再びチャンスを手にしたのは2017年、議長の鶴の一声が後ろ盾になったことでした。「議会改革に後れを取ってはならん」と議長の厳命があり、前回から少しずつ準備を重ねてきた議会事務局長(当時の課長)が進め方をまとめました。
タブレット導入検討会の設置
合意形成が必要な内容は各会派代表者会だけでなく、全議員で構成する「タブレット導入検討会」を設置して協議することとしました。また実務的な判断を要する部分は、IT活用に長けた議員2名を「導入推進アドバイザー」に議長が指名し、推進の中心となる体制としました。入札についてはプロポーザル型を想定し、アドバイザーと事務局が具体的な機能の評価や仕様づくりなど検討を行っていく形です。議員のユースケースに沿った要望を取り入れやすい体制になりました。
振り返ってみると、導入にあたっての数々の課題を突破するのに事務局とアドバイザーの二重体制が奏功しました。議員間の意見調整は事務局だけでは難しく、会派代表者会だけでは並行線を辿ったかもしれません。アドバイザーは推進の旗振り役になるので不満の声が聞こえにくくなります。そこを議会事務局がうまくサポートすることで円滑に推進ができました。事務局は議員の不満を聴くことに徹し、「やってみましょうよ」という雰囲気づくりを巧みに行ってくれました。
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