合併検討の前に、自分なりに問題点の整理

今よりおよそ2年前の2014年4月のある日、突然に中日新聞から名古屋市との合併についてのアンケートをいただきました。返答までの期日は1週間程度、しかも数十文字にまとめろ、と注文がつけられていました。多少の事を考えて意見するには極めて短く、Twitterの140文字が長く見えるほどです。またちょうどその当時は自分自身の選挙準備で多忙を極めていたピークで、しかもそのピークのなかのピークでもあり、非常にストレスフルな生活だったためにカンカンに腹を立ててその勢いで反対論を述べたわけです。

・・・が、いまの落ち着いた目線で読み直してみると腹立たしさのあまり、これでもかと挑戦的に反対論を述べていて、冷静さを失っていたな、と反省しております。

今日はその反省を踏まえて、北名古屋市と名古屋市の合併について、検討するべきことがら、ならびに北名古屋市として何を確認していくべきか、私の所見を書いておきたいと思います。

未来に向けて、全力前進!

まず大前提として、合併とかそういう前提の条件無しで考えるべきポイントだけきっちり整理すること。

わたしは「住民目線に立った市政運営の実現」こそが要諦であると考えています。小池・東京都知事ではありませんが、住民目線というのはやはり重要です。もう少し具体的なことばに置き換えると、住民目線に立った市政運営というのは「市民のニーズに的確、かつ迅速に対応すること」ではないでしょうか。困った、足りない、こうなってくれたらいい。そうした気持ちを着実に捉えること、そして迅速に実現させること。これこそが住民目線に立った市政運営の一端であると思います。

ですが財政には限りがある、人材にも限りがある、という制約があります。何でもかんでも頼まれたことは全部できたらいいのですけれど、そうはいかない。ここは家計とよく似ています。子供の習い事にお金を使うには旦那さんとの外食を減らすなどして遣り繰りされますよね。ご家庭の家計と市の財政のやりくりは似たようなもので、一方で使ったら、もう一方はあきらめなきゃいけない。

そして最後に、なぜそうなったのか、という説明を果たすことが必要です。旦那さんのお小遣いを黙って減らしたら、さすがに普段は無口な旦那さんも「おい、今月小遣い減ってるんだけど、なんでだ?」って言われますよね。

したがって、わたしが考えるところの「住民目線にたった市政運営」とは、つぎの3点になります。

住民目線に立った市政運営
1. 市民ニーズに的確、かつ迅速に対応すること
2. 将来的に持続可能である健全な財政運営(制約条件)
3. 政策判断の説明責任

さてここで挙げた1, 2を同時に獲得することが、行政経営の目標です。

1.の市民ニーズはとてつもなく幅広くあります。全部をやりきることはできませんから、どうしても優先順位をつけたり、その効果・効能をもってして判断していくことになります。また日本は直接民主制をとっていません。そのため当事者からの1次情報の収集は、市民代表として意見する上での重要なものとなります。

さて、あとは2.の制約条件です。山のようにわいてくる要望。すべてに答えることができないのは財政や人的制約によるものがほとんどです。そのために市の限られた財源の枠のなかで、要望の妥当性を判断されることになります。

「限られた財源の枠」これをいかなる手段で突破するか?

その方法論のひとつが大都市名古屋との合併だ、ということです。これまで非公式な場で述べられてきましたが、この平成28年9月定例会の一般質問で市長から「合併を検討する」という言葉がとうとうでてきた、という状況です。

したがって、合併をする・しない、いずれの選択肢を選んだわけでなく、ここからきちっと検討をすることを明言されたわけです。これまでは単なる政治的な掛け声でしたが、これからは具体的な業務として検討をするステップになるわけです。

合併について、大きくはこんな影響がでるはずです。

【縮小均衡】合併をせず、行政サービスの規模を縮小させる
長所
  ① 北名古屋市単独でも計画・実施可能
短所
  ① 都市基盤整備など新規投資は困難
  ② 施設の維持・修繕の負担が非常に重い

【拡大均衡】合併をして行政範囲を拡大し、大きな行財政基盤で行政サービスを維持・向上させる
長所
  ① 財政基盤の拡大、行政効率の向上
  ② 広域ビジョンでの新たなまちづくりが可能
短所
  ① 行政の意思決定への関与が難くなる

そして忘れてはいけないのが、合併しようがしまいが、どのみちやってくる問題も盛りだくさんある、ということ。

合併をする/しないに関わらず、取り組み、解決を図らなければならない課題も山のようにある。これをどうしていくか具体的な検討に際して、財政基盤の規模が選択の範囲を決定する制約条件となるため、財政基盤が大きくて悪いことはひとつもない。

I. 北名古屋地域に対する良いイメージの獲得
II. 地域社会のなかでの「良さ」の持続
III. 高齢者の健康年齢の向上
IV. こども、子育て世帯への支援の充実
V. 災害対策機能を持った都市公園の整備
VI. 新川流域の水害対策目標
VII. 汚水下水道整備の完了
VIII. 徳重・名古屋芸大前駅周辺の面整備
IX. 企業誘致活動

と、ここまで書いたのですが、そろそろ市役所の閉鎖される時間になりました。つづきについてはまた後日書きたいと思います。

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