AIで拓く、効率的で優しい未来:自治体が生成AIを活用すべき法的根拠と「誰ひとり取り残さない」視点

こんにちは、北名古屋市議会議員の桂川将典です。

現在、私たちの生活に急速に浸透している「生成AI」。自治体においても、これを単なる「流行り」で終わらせるのではなく、市民サービスの向上と行政の効率化を実現するための「強力なインフラ」として活用すべき時が来ています。

今回は、2025年(令和7年)に成立した「AI新法」などの法的根拠に基づき、私たちがどのような理念でAI活用を進めるべきか、そのロードマップを整理しました。

    なぜ自治体に「AI」が必要なのか?(法的根拠:AI新法)


    令和7年に施行された「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI新法)」において、自治体は単なる利用者ではなく、「地域の特性に応じた施策を策定・実施する責務(第5条)」を持つ主体であると明記されました。
    AI導入の根底にあるのは、以下の3つの基本理念です。

      • 人間中心の社会: AIはあくまで「手段」。人間の尊厳を守り、生活を豊かにするために使います。
      • 透明性と適正利用: 著作権侵害や個人情報の漏えいを防ぎ、クリーンな運用を徹底します。
      • 安全安心の確保: リスクを正しく管理し、市民の権利を侵害させません。

      これらは、私たちがAIを導入する上での「絶対条件」です。

      「攻め」と「守り」のバランス(ガイドラインとセキュリティ)


      「AIはリスクが怖い」という声もあります。しかし、国(経産省・総務省)の「AI事業者ガイドライン」では、リスクベースアプローチ(リスクの大きさに応じて対策を変える考え方)が推奨されています。過度に恐れて何もしないのではなく、正しく制御しながら活用する段階に来ています。
      具体的には、以下の3点を徹底します。

        • 徹底したセキュリティ(地方自治法 第244条の6): サイバー攻撃や情報漏えい対策を「義務」として方針策定します。ISO27001の認証取得など情報セキュリティの向上と順守状況を明らかにできるよう、運用面での外部評価を受けることを推奨します。
        • 権利の保護(著作権法): AIが生成したものが他者の権利を侵害していないか、確認プロセスを仕組み化します。
        • リテラシー教育: 職員がAIを使いこなすだけでなく、その限界や倫理を学ぶ教育をセットで行います。G検定や生成AIパスポートなど資格取得を推奨し、知識を明確に評価する目標設定も有効に機能すると思われます。

        「誰ひとり取り残さない」ためのAI活用


        ここで重要なのは、「AIが進むことで、デジタルに不慣れな人が置いていかれるのではないか?」という懸念です。
        私は、むしろ「AIこそが、誰ひとり取り残さない社会を実現する鍵」だと考えています。

          • 窓口の負担軽減を「対面支援」の充実に: AIが定型業務や内部資料作成を効率化することで、職員は「本当に人の手が必要な相談業務」や「福祉の現場」に、より多くの時間を割けるようになります。
          • 情報のバリアフリー: AIを活用すれば、行政文書を瞬時に「やさしい日本語」に変換したり、多言語翻訳したりすることが可能です。障害のある方や外国籍の方への情報伝達が劇的にスムーズになります。
          • 効率化によって生まれた「時間」と「資源」を、最も支援を必要としている方々へ再配分する。

          これが、私が目指すAI活用の姿です。

          まとめ:これからの自治体AI活用の構成案


          現在、私が考えているAI活用を自治体が計画する際の要点は以下の通りです。

          • 基本方針
            • 人間中心のAI活用を宣言し、地域課題を解決する
          • リスク管理
            • 人間が必ず最終確認を行う(Human-in-the-loop)の徹底
          • セキュリティ
            • 改正地方自治法に基づき、機密情報の入力を厳格に制限
          • 権利保護
            • 著作権法を遵守し、既存の権利を尊重する運用フローの構築
          • 人材育成
            • 職員のリテラシー向上と、市民への普及啓発

          おわりに


          AIは魔法の杖ではありません。しかし、正しく使いこなせば、私たちの街をより便利に、そしてより「優しく」変えることができる道具です。


          現役世代の皆さんが納得できる「論理的な効率性」と、すべての市民が安心できる「包摂性」。この両輪を回しながら、次世代に誇れる市役所づくりを推進してまいります。


          皆さんのご意見を、ぜひお聞かせください。

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