今年のこの1年も新型コロナに振り回された1年でした。予算編成の段階から大幅な縮減予算となり、市民のかたにも大きな影響を与えました。特に各種イベントの中止はインパクトが大きかったかと思います。また住民団体の活動費のカットに直面された方もいらっしゃったと思います。特筆すべきは合併以来なかなか進展してこなかった公共施設の閉館が急ピッチで実施されたことでしょうか。私自身も2021年3月の議会にて西図書館の閉館について、余りにも急すぎる決定ではないか、と憤りを率直に発言させていただいたこともありました。
とはいえ市の所有・管理する公共施設は行政面積に比して多く、特に利用者を世代で分割した用途を主目的に供されている施設については、シビアな統廃合を合併以来一歩ずつでも進めてソフトランディングさせればよかったものを、ここまでずるずると引っ張ってしまったことがコロナによる景気後退で大きな負担となって、結果的にはちょっとしたハードランディングにしてしまったことを市の行政運営の今後に活かしていかなければならないと考えております。
ひとつは公共施設の手仕舞いをどのように実施するか?という方法論が確立されていないことです。地方公共団体には公共施設の「新設」のためのノウハウが蓄積されてきました。いっぽうで施設廃止がそもそも少なく、経験を積んだ人材が極端に少ないのです。2017年に盛岡市の公共施設保有の最適化と長寿命化をテーマに視察を行って、丁寧な施設廃止を行った事例を学んできました。もう何度も自分自身の書いた視察報告書を読み返して、価値のある視察だったな、と一番に思い出します。
もうひとつは、まちの魅力やシビックプライドを醸成する、そんな理想的なまちづくりの根幹にあるのはハード事業とソフト事業の両輪であり、どちらのバランスを欠いても上手くいかない、ということです。まちづくりについては市町村や海外事例なども広く浅く事例調査を続け、自分自身の目線のアップデートを続けてきました。
ここからは、いわば破壊と創造です。施設廃止だけでなく、次の世代につながる未来を、北名古屋市の将来にどのような未来の都市像を描くのか、ということです。住み心地のよさをハードとしてまちに組み込むのは、同時に住民の行動というソフト面での設計と両輪にならなければなりません。アフターコロナのまちづくりは根本から変わるべきものです。これについてはまだ自分の中でも消化しきれていませんので、いずれ考えをまとめ誰にでもわかりやすく具体的に伝えられるようにしたいと思っています。
新型コロナウィルスワクチン接種については、北名古屋市の職員は重責にもめげず一丸となりスピード感をもって実施してくださいました。特にワクチン接種開始当初のコールセンターは大変な混雑ぶりで、電話を受け取る担当職員も不慣れな中でほんとうに良く頑張っていただきました。報道にあるようにこれから3回目接種を進めていくわけですが、こちらについてはこれまでの経験から比較的スムーズに実施できるのではないかと期待をしております。また地域団体との懇談会を通じて要望をいただいた障がい者支援施設での個別接種など、各々の事情と重要度に応じて「痒い所に手が届く」対応を求めてまいります。
また今年はゴミ問題に着目した1年になりました。友人からウォーキングに誘われたことをきっかけとして、ついでにゴミを拾ったらいいじゃないかと始めたこちらの活動も2月で1年を迎えます。毎週日曜日にゴミ拾いをし続けれるのか、これを始めた最初はだれ一人として自信はありませんでしたが、なんとかここまでこれました。雪が降る今朝も6名が集まり、ゴミ袋を片手に鹿田地区をぐるりと1周してくることができました。いちばん身近な問題を自分自身で解決する、というのはわたしが市議に立候補した理由に通じるものがあります。
ごみに関する諸問題として、ステイホーム2年目となり、昨年から引き続き粗大ごみの回収が申し込みから2週も待たされる状況が続いていた時期もありました。政府では容器包装リサイクルに加えて、プラスチック全般をリサイクルに乗せる法整備がなされております。いずれ北名古屋市でも回収・リサイクルを運営しなければならないのですが、現時点ではサービサーとなる民間企業の技術開発にめどが立っていないようです。また北名古屋市のゴミ回収・処理のコスト削減に向けて市の広報誌を通じて担当課が必死に情報発信を行っております。特に可燃ごみを削減することが目下の課題であり、そのごみ焼却コストを削減することができないようであれば、ゴミ処理有料化(可燃ごみ袋代へ処分費を上乗せする)を検討するという文言が資料に上がってくる事態にまでなっています。愛知県下では知多半島で有料化を行っている自治体が多いのですが、10袋500円程度になっており、所得に対する逆進性の高さがまず重要な課題で年金生活者や低所得者を直撃します。またコンビニなどへの家庭ごみの持ち込み、ポイ捨てなどのモラルハザードを引き起こしています。こうした負の面については実施した行政は口を固く閉ざしてしまい、事例を調査することの困難度が上がることが予想されますが、わたくしとしては今後これらゴミ処理有料化の事例について、その内実確認のための現地調査をコロナの状況を見ながら行っていきたいと考えております。
さて、つらつらと思いついたように書き連ねてまいりましたが、そろそろ愛娘を寝かしつけねばなりません。
あらためてこの1年、振り返れば感染者の爆発的な増加と非常事態宣言による自粛の繰り返しでしたが、ワクチン接種も順調に進み、街にはそれなりに人が戻ってきたように感じています。個人的にはステイ・ホームにも慣れ、忘年会のない12月にも違和感を感じません。むしろ今は日増しにいろいろな事柄を覚えて表現している愛娘と接する育児時間に充てられることのほうが、後々になって有意義な時間を過ごせたと振り返ることができ、喜ばしくも思っています。
ここまで長々と書き連ねてまいりましたが、お付き合いいただきまして誠にありがとうございました。
寒さ厳しき折、風邪など召されませんよう、何卒ご自愛くださいますようお願いいたします。
みなさま、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。
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