北名古屋市と名古屋市との合併検討について、9/1中日新聞朝刊を皮切りに新聞やテレビ、インターネットなど様々なマスコミ報道がなされました。私の友人・知人からも多くの意見が寄せられてきております。

2016/9/1の本会議、永津議員の一般質問には名古屋市会議員の方が何名も傍聴にお越しくださいまして、空き時間の間にお話しさせていただきました。話しは決して否定的なものではありませんでした。今後とも継続的に情報交換を行っていくことは非常に重要だと感じております。

平成の大合併は何だったのか。

昭和の時代は人口急増や住宅需要などに対応するため日本中どこでも様々な施設の建築や施策を展開してきました。その時代の住民ニーズに応え続けてきました。要望に応えることで住民の満足度も高い行政経営ができていたと考えられます。
ところが近年では住民ニーズも変化してきました。経済も人口も急成長してきた昭和の時代に造られた行政サービスは、当たり前の行政サービスとして消化され、多様化した様々な細かなニーズにさらに応えるよう求められてきました。そしてそれに出来る限り応じてきました。

その結果、今の行政サービスは、たくさんの積み木を積み上げたようなギリギリの財政バランスの上に成り立っています。

平成の大合併は肥大化した行政サービスを地方分権と併せて効果的にスリム化を図る国策として進められたものです。

しかしながら合併の実態をみると、地方議会のスリム化は果たせたものの、一部の稀有なケースを除き、行政サービスの有り様を大きく変化させるにはいたらなかったものと評価しています。また合併特例債によって痛んできた既存施設の維持や修繕・耐震化ができましたが、裏を返せば、徹底した取捨選択を行い行政サービスの効率化を図ることは遅れているように感じています。
ここでひとつの山場を越え、地方自治の姿は次のステージに突入したと私は感じています。

未来予測と集中と選択の政策決定

これから重要視されるべきは、確実な未来予測による政策決定に軸足を移すことであると思います。

つまり、これまでの情実的意思決定からは卒業し、客観的なデータに基づいて、地方自治体がそれぞれの地域の特色を生かした合理的な成長戦略を描くことです。

民間企業が30年先、50年先を見通すことは不可能でしょう。経済市場の変化は凄まじいものがあります。その中での予測は技術革新および設備投資の状況からある程度できるだろうとはいえども、それなりの正確性をもって市場予測ができるのは、せいぜいが5年後くらいまででしょう。

一方で行政は30年先であれ50年先であれ予測を立てることが可能と言えます。なぜなら行政サービスは住民の人口ピラミッドから需要予測が統計的にそれなりの正しさでできうるからです。例えば高齢化率と介護医療費の伸び率、子育て世帯数と保育園の定員数など、必ず必要とされる需要はおおよそ予測可能であると考えています。

均衡点はふたつ。縮小か、拡大か。

そこで予測にしたがって行政サービスのサイズを小さく合わせれば良い、という単純な辻褄合わせをつい考えてしまいます。わたしもかつてはそうでした。

しかし選択肢はそれだけではありません。

こじんまりとすることで財政的に縮小均衡を図るだけではなく、北名古屋市はここからさらに発展的に課題解消するよう拡大均衡させる選択肢もあります。それがここで現実味を帯びた、ということです。

選択肢を示すという責任

わたしはこの街の市民の皆さまに選ばれた議員として、今ここでひとつ大きな責任を果たしていきたいと考えています。

それは、この街の将来の子どもや孫の世代のために、現実的に選択可能な選択肢をひとつ増やして、住民の皆さまの前にお示しできるようにすることです。

「民主主義は学ばれなければならない(Democracy has to be learned)」

この前提を抜きにしては民主主義は容易にポピュリズムになってしまったり政策とは無関係の個人的な諍いに陥ってしまう、という批判があります。

北名古屋市の将来像は皆さまの手に委ねられるべきものであります。だからこそ、皆様にも真剣にお考えいただくべく、わたくしはこれからも市民の皆さまに色々な情報提供に努めて参ります。

どうぞ広い視点からのご意見をお聞かせください。

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